ここはかくれが、ふたりきり。

わたしがいて、あなたがいる。あなたがいて、わたしがいる。どちらが先かに意味はなく、このひとときに、ひとりになれる。

ドキッ! 〜パンクもあるよ〜 男一人、地獄の自転車旅行 Part2

二日目、早朝。ルートはこちら

筋肉痛も特になく(バイクの遠乗りをしても筋肉痛が出ないのだ。不思議)、シャワーを浴びて支度を整えてからチェックアウト。今日は伊勢湾フェリーに乗って伊良湖へ、次いで名鉄カーフェリーに乗って知多半島の南端、師崎へ行き、そこから名古屋に向けて北上する予定だ。



ホテルを出て、バイクの鍵を外してさあ出発だと意気込んだ瞬間。



ギュリョッ。



何の音――ま、まさかっ……!

昨日パンクした後輪がものの見事にペッシャンコでした。焦る俺。

伊勢湾フェリーの時間がズレれば名鉄もズレてしまう。マズいマズいマズい!



とにかく空気だけ入れよう! チューブ交換は師崎でやればいい!

パナレーサーで応急処置的に空気を補充し、まだ気温が上昇しない鳥羽を伊勢湾フェリー乗り場に向けて出発した。



危惧していた乗り損ねもなく、切符を買って伊勢湾フェリー名鉄カーフェリーと、無事に師崎に到着できた。

名鉄カーフェリーに同じくサイクリストが二人乗っていたんだけど、輪行のようにしていた。なんでだろうと考えてみたら運賃を浮かすためではないかという結論に至った。なるほど、上手い手を考えるものだ。



とまあそんな手法に感心しつつ、師崎に上陸して、チューブ交換に取り掛かった。

特に問題もなく交換は済んだのだが、問題はここから。



向かい風がビュンビュン吹いているではないか。



もう、情け容赦なく吹き付ける冷たい風。寒い寒すぎる!

フェリーのおかげでいくら距離が減らせたからと言って(本当は浜名湖の方をぐるりと回るつもりだったのだ)、この風は辛い。



風だけでも辛いのに、道を間違えるという始末。更にその途中で今度は前輪のパンクに見舞われるという不運さ。

修理していたらどこぞの見知らぬ(旅先だから当然なのだが)おじいさんがありがた迷惑親切にも余計なお世話お手伝いをしてくれた。もちろん腹の中では「邪魔しないでくれ!」という言葉が渦巻いていた。

しかし、それとは裏腹に、おじいさんの去り際の「頑張れよ」という一言に、「はい、ありがとうございました!」と、自然に口元を緩ませて答えていた。

どうしてなのだろうか。書いている今でも不思議である。誰かと触れ合えたことが嬉しくなるほど、孤独な旅に疲れていたのか、はたまた……。



それはさておき。

今日も今日とて苦難の道のり。進まないんだよ! 風のせいで!

名古屋駅前は人でごった返してるしさ! 日が落ちたら寒いのなんのって!

距離は短いくせに、結局昨日とほとんど変わらない苦労で本日のホテル、名古屋駅モンブランホテルに到着した。

ちょっとフロントの対応がおざなりだった気がしないでもないけど、設備が綺麗だからまあ良しとしよう。



昨日と同じように弁当やカップラーメンを、今度は近接するコンビニで買って食べた。微妙だった。

やはり舌がおかしくなっているのだろうか。妙な気持ちでお菓子を食べてテレビもそこそこに寝た。

明日は最終日。無事にたどり着いたら、俺、ワンカルビPLUS+に行くんだ……。





実は、このとき、胸中にとある不安を抱えていたのだが……?

Part3、乞うご期待!



〜二日目の記録〜

距離:74.49km

Av:14.6km/h

Mx:30.8km/h

Cal:736.2(←正直、風の影響でそれ以上に消費したと思う)

Time:5.04.58

実働:(おそらく)7.00